花木の知識

美しい苔の庭


鈴木美津子ガーデン散歩 VOL 12(2020年8月) 軽井沢の別荘地 より

苔は静かなブームとなっていますが、軽井沢では開発の為の大木の伐採により、徐々にその数が減ってきています。

閑静な別荘地でひときわ目を引く美しい苔の庭をご紹介します。

軽井沢の別荘地にある ひときわ目を引く苔の庭

軽井沢の別荘地にあるひときわ目を引く苔の庭

オーナーが軽井沢特有の自然の声に耳を傾け、大切に手入れをし続けて

40年かけて樹木の生長と共に少しずつ、自然に苔庭に変わっていったそう

 

植樹するのも土地の物を、という徹底したこだわりで

この庭には ”幸せの気” が満ちていると感じる

 

今回は、訪れる人に優しい癒しを与えてくれる憧れの苔庭を

涼やかな湧き水の音を聞きながら鈴木美津子さんと散策します。

 

苔の美しい庭のご紹介

 

今日は軽井沢の知り合いの別荘に来させていただいています。

 

あまりに苔が美しいので、

お願いしていろいろとお話させていただきます。

 

古くから浅間山を源とする水が湧き出ている

浅間山を源とする水が湧きでている

水が湧き出ていると伺いましたが あそこが源ですか?
水の音が素敵ですね。

 

これはクレソンですか? 天然のクレソン、素晴らしい

蛍が出るかなと思ったんですが、素敵、いいですね水の音。

癒されますね。

 

自然に苔が生え始めて30年以上

自然に苔が生えて30年以上

今、来る途中 歩いて来ました。

滝のような汗だったんですが、こちらに来たら涼しい。

暑くないではなく、涼しい。

 

日影と日向はいかに違うかということを皆さん知ったら、木々を切ったりする時は、ちょっと考えるといいですね。

 

素晴らしい、この上の空間もありながら、木々が15m以上の高さ、

これがこの涼しさをよんでいます。


見えない空気の対流が、上下温度調節して、いいですね。

 

これ何年ぐらいたっているんでしょうか、苔は。

「自然に苔が生え始めて 30年以上です。 」

 

 

 

除草剤を使用していないので、苔がフカフカに育っている

苔がフカフカに育っている

今この苔は、クッションみたいになってるんですけど、

昔、最初に除草剤をまいたりすると、固いんです。

 

最近ではなくて、元の土が硬くなって、硬い上を歩くようなのですが、

今ここはスポンジの上のようにフワフワとなって、癒しになります。

 

素敵ですね、すごく素晴らしい。

昔はシュロ帚でなでて花粉を散らし、苔を保っていた

シュロ帚でなでて花粉を散らし、苔を保っていた

5月から遅いと7月には苔の花が咲くんです。

これは青かな、杉苔なら茶色なんですが、今見当たりませんが。

 

苔の花が咲く初夏に、花の上を柔らかいしろシュロ帚でなでるんです。

これだけ茂ってるので必要ないですが、いつも若々しくしておくとしたら、箒でなでます。

そうすると花粉を散らして、再生されます。

 

私の子供の頃は、旧軽のどこを散歩しても、みんなばあやさんか管理人が掃いていました。

 

冬に霜柱が立つ時期に優しく踏みつけ苔を定着させた

冬に霜柱が立つ時期に優しく踏みつけ苔を定着させた

こちらは自然に苔になって素晴らしいです。

 

だけど踏むといいんですね。四角のプラスチックの靴があるんです。スニーカーの上に履く、透明な四角い靴があるんです。

 

旧軽井沢の寒い所では、10cmぐらい苔が盛り上がります。

その時は、その靴か、体重50kgぐらいの人なら静かに踏んであげると土に密着していいです。

 

伺ったらここはしていないということ、霜柱がそれほどすごくないというので、

ちょうど気候の良い場所ですね。

別荘地としても寒すぎず暑すぎず良い場所だと思います。

 

この辺も撮れるかしら、苔はボコボコボコと生えるものなので、それがちょうどよく出ています。素敵です、いいですね。

苔は光合成を行うので、木洩れ日がまんべんなく当たる環境が適している

苔は光合成を行うので木漏れ日が適している

この木漏れ日がちょうどいいです。

お日様は朝からこう移っていくから、木漏れ日が移っていき、程よくみんなに日が当たるということですから、いいですね。

 

それで旧軽井沢と違って過ごしやすいのは、木々に苔が付いていない。

ということは湿気が旧軽ほどではないとうことですね。

本当に良い気候ですね。どの木を見てもみんな素晴らしい。

 

ウバユリ(乳母百合)

ウバユリ

ウバユリが咲いています。

今はだんだん減ってきていますね。

 

これは、昔農家の人たち 母親が貧しくて母乳が出ない時に この球根をすりおろして絞って赤ちゃんに飲ませたので乳母の代わり、それで「乳母百合」といいます。

 

これ咲き終わりですね、真っ白。

本当は一杯あったのですが、今はあまり見られません。

 

本当に素敵。オオバギボシもありますし、いいですね。

 

 

夫婦赤松

夫婦赤松

うわーすごい松、軽井沢に来て 今までで最高の松です。


二本、夫婦松の赤松ですね。

普通の松より赤松は育ちが遅いので 20m以上ありますか

これだけの松は素晴らしいです。

庭木仕立て

庭木仕立て

ナラのドングリのこの枝ぶりを見てください。

造園屋さんが仕立てたみたい「庭木仕立て」っていうんですね。

素晴らしいです。

 

この広さにちょうどマッチした枝張り、

こういう木々をまねして盆栽がでているのです。

 

双幹

双幹

あの向こうの松、根元から2本出て、双幹というんです。

素晴らしいです。すごい!


いろいろなお庭を見ていますが素晴らしい、歴史が違いますね。

一番古い先にできた軽井沢の場所だと伺いましたが、素晴らしいです。


木々の組み合わせの枝の伸び方がそれぞれに生きていますね。
所どころに空間があって、理想的です。
雑誌か何かに載せたいくらい。枝の先まできれいに剪定してある。

動物たちも訪れる理想的な森

動物たちも訪れる理想的な森

小鳥やリスも小動物、みんな楽しいでしょうね。
ムササビも飛ぶんじゃないですか?

 

ドングリを食べにリスが枝を渡り、

日が暮れるとムササビがライトめがけて飛んでくる

 

奥の林にはキツネの住処があり、

シカも時々姿を現す

フシグロセンノウ(節黒仙翁)

動物たちも訪れる理想的な森

可能なら、四季折々、季節の変わり目をご紹介して、軽井沢らしい別荘としてお見せできたら嬉しいですね。

 

秋もこれだけの高低差があったらかなり色の移り変わりを楽しめます。

木々の下のモミジの紅葉がどれだけ遅れて赤くなるか。

 

もし可能なら、あちらにオオバギボシがあって、ウバユリがあって、そしてちょっとくぼみや頭石があるんですが、そんなところにフシグロセンノウ(節黒仙翁)が5~6本ずつ、2~3か所でもあると、夜 お家の部屋に居ても きれいに見えると思うんです。

 

ここなら環境に合っているから何本か欲しいなあと思います。

大変きれいです。


今日は良い日です。

良い庭を見るとすごくうれしい。

 

伐採の後ばかり行っているから、今日は良い日です。 

オーナーの思い

オーナーの思い

建物のみならず照明ランプに至るまで木にこだわったオーナー

この窓からの四季折々の眺めは

多忙な毎日を癒す最高の贅沢

 

<オーナーからひと言>

樹木や植物の持つやさしさとやすらぎ

そして力強さを

この庭から感じていただければ幸いです。

 


※今回の動画は、YouTubeでご覧いただけます。

[鈴木美津子ガーデン散歩 VOL 12]


ローズガーデン&レストランカフェ「風の丘しいある」

〒385-0061 長野県佐久市根岸3870-1