花木の知識

妖精のランタン レンゲショウマ①


鈴木美津子ガーデン散歩 VOL 16(2020年8月) 千ヶ滝別荘地 より

絶滅危惧種のレンゲショウマの苗を分けてくださるとの事で、移植の方法を2回に渡り学びます。今回は掘り方のポイントです。

絶滅危惧種のレンゲショウマ

絶滅危惧種のレンゲショウマ

 小川のせせらぎが静かに響く

千ヶ滝別荘地

 

「森の妖精」や「妖精のランタン」と呼ばれる

絶滅危惧種のレンゲショウマを

大切に増やし続けているオーナー

 

今回は苗を分けてくださるとのことで、

美津子さんに 移植の方法など 教えていただきます。

 

 

こんにちは、鈴木美津子です。 

今日は千ヶ滝の知り合いの家のレンゲショウマをご紹介します。

 

 

実生3年目のレンゲショウマが30株ほどある

レンゲショウマを育てているオーナー

オーナーのTさんです。

今日はよろしくお願いします。

 

あまりにきれいに咲いているので驚きました。
こんなに花付きが多いというのはびっくりです。

レンゲショウマを育てているオーナー

(オーナー) 

今日見ていただきたいのは、

この花と、種から育てた実生3年目のレンゲショウマが

30株ほどありますので、

ぜひ教えていただきたいと思います。

 

レンゲショウマ名前の由来

レンゲショウマ名前の由来

このレンゲショウマ、ちょうど見頃です。

レンゲショウマの花を逆に立てると

蓮の花に見立てられる。

 

「レン」というのは「蓮(ハス)」という字なんです。

それで「ショウマ属」なのでレンゲショウマ(蓮華升麻)と言います。

 

 

一族一種、日本固有種

一族一種の日本固有種

レンゲショウマは、一族一種の日本固有種です。

大変貴重です。


ここにこんなにたくさんあるからと言っていっぱいあるわけではなくて、

保護植物なのです。

 

今日は種の蒔き方や、種を少し分けていただけるというので何人かで来ました。

 

植え替え時期は4~5月が良い

植え替え時期は4~5月が良い

植え替えの時期は4月~5月なので、

今日は時期外れの移植の仕方をお教えしようと思って来たんですが、

こんなに定着して立派なので、とるのが可哀そう。

 

それと傾斜地なので、むやみに掘ると崩れます。

このままの方が良いかと思います。

実生の方でお分けいただくことにしましょう。

 

 

キレンゲショウマ(黄蓮華升麻)

キレンゲショウマ

それで、またまた驚いたのは、

レンゲショウマの横にキレンゲショウマ。

驚きました2つが並んで咲いている。

 

レンゲショウマと名前が付きますが、全然別な種類です。

キレンゲショウマも日本固有種の一族一種。

 

保護しなければどんどん減ってゆく植物。

こんなにたくさんあるのは驚きです。

 

こっちは葉っぱが大きくて、自然の中で群生すると圧巻になります。

群生で眺めるのが一番インパクトがありますね。

 

レンゲショウマ、キレンゲショウマ共に蕾が丸い

レンゲショウマ、キレンゲショウマは蕾が丸い

つぼみからだんだん開くのが見頃ですね。

 

レンゲショウマもキレンゲショウマも丸いつぼみから出るんですが、

一族一種が隣り合わせで、

フシグロセンノウがその中に咲いている。

 

大変すばらしいセッティングだと思います。

 

いろいろなものが実生で出てるというので、

あとでお話伺いたいと思うのですが、

これはみんなで保護して増やさなければいけないものなので、

そういう活動をしていきたいと思います。 

1年目の実生(種から育てたもの)の苗床

実生の木は早めに駆除する

◆これは実生と言いますが、ご主人が種を秋に取るんですか?

 

10月に種を取り、1ヶ月ぐらいたって11月の終わり頃に

種を一晩水につけて、翌日苗床に筋をつけて蒔いて、土をかけるんです。

 

ここは冬になると落ち葉になっちゃいます。

そこで、日が当たって育っていくという具合です。

 

 

◆一晩つけてから蒔くというのは大変良いです。


フシグロセンノウも年を越えて種を蒔くと発芽しないそうですが、

11月はベストですね。

山野草はみんなそんな感じかしらね。

 

 

 

フシグロセンノウは日向でもよく育つ

◆軒下で乾きそうなのに大丈夫ですね。

 

こちらが南向きなのでちょうどここに日が当たり、

冬場は良いのかなと思って。

 

◆いいです、これが北向きとか、いつもじめじめしていると、10cmぐらいの霜柱が上がるので、発芽しないですが、ここは場所がいいです。

育て方上手です。

3年目の実生のレンゲショウマ苗床

フシグロセンノウ名前の由来

先ほど1年目の実生のレンゲショウマを見ましたが、まだ小さいく、

細根を痛めてはいけないので、今年の移植は見合わせます。

 

今こちらに3年目の実生のレンゲショウマ、素晴らしいです。

きれいに葉っぱに艶があって活きが良いですね。

 

絶滅危惧種、日本のものが絶えてはいけないので、

少し頂いてみんなで手分けして増やす活動をしたいと思います。

 

苗の掘り上げのコツ

移植時期ではないので大きめに苗を掘る

<移植時期ではないため、通常より大きめに苗を掘る>

 

それでは、苗を掘ってみましょう。

上の方は見栄えが良いので、下の方なら掘ってもよいかと思います。

 

今は移植の時期ではないので、普段の移植よりも大きめに苗を掘ります。

 

苗の外側から円形にシャベルを入れる

<苗の外側から円形にシャベルを入れる>

 

少し苗の外側から、一回で掘り上げようとしないで、

根を痛めないように、円形にシャベルを入れます。

 

私は力がないので、シャベルの先に刃をつけて研いであります。

 

 

 

シャベルを土に差し込む際は垂直に入れる

<シャベルを土に差し込む際は垂直に入れる>

 

シャベルを土に入れる時、シャベルを斜めに入れてはだめです。

斜めに入れると斜めに根を切ってしまいます。

 

垂直に入れてテコの要領でほぐすんです。

丸く掘るとこうやって取れてきます。

 

次回の予告

今回はここまで

 

次回はレンゲショウマを掘り上げた後の作業を

ご紹介します。

 

どうぞお楽しみに。


※今回の動画は、YouTubeでご覧いただけます。

[鈴木美津子ガーデン散歩 VOL 16]


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