鈴木美津子ガーデン散歩 VOL 8(2020年7月) 風の丘しいあるガーデン より
ジューンベリーの養生の仕方を参考に雨や雪の重みで枝が折れない方法などを学びます。
<今回のポイント>
ジューンベリーなど、横に枝を広げやすい樹木が
雨や雪による影響で幹や枝が裂けてしまうのを
予防する方法を学びます。
今日は、ジューンベリーの予防ををやってみます。
これいっぱい養生してありますね。(写真一番下)
なぜこうするか、上で実がなってたわわに花も咲いて重くなり、一番危険なのは冬です。
枝が細かくあるので、雪が積もった時に重さで、枝分かれしたところから折れてしまう。
枝が次々と広がっていくのですが、それが、一段、二段、三段となると重みがすごい。
そうすると割れてしまうのです。
これ、一番下の枝と枝は危険なので予防で結んであります。(写真一番下)
金具などは使ってはいけません。
シュロ縄で傷まないように結んでおくと安心です。
これやっていなかったら、今年の冬は割れていました。
<ポイント>
ジューンベリーなど枝が横に旺盛に広がり
混み合いやすい樹木は、重みで枝が裂けやすくなるため
あらかじめシュロ縄で裂けないように養生するとよい。
このジューンベリーは、今年1月に割れました。
倒れてたのを見つけたのですが、もう皮がむけて、養生してある下の枝にヒビが入っていたのですがカルスでくっ付いていますね。
蕾も花芽もあったので諦めきれない、花が咲くか咲かないかやってみようと、すぐ支柱で支えて縛りながら密着するように力いっぱい合わせました。(写真一番下)
その時は親方も頼んで、割れたところがぴったり付くように何重にも巻いて締め付けました。
だめかなと思ったのですが、咲いたんです。でも枯れるかなと思ったのですが、枯れない。
というのは、養分が行き来しているということです。
ジューンベリーは花もたわわに咲きますが、割れやすいです。
この可能性があるのは柔らかい木ですね、ムラサキシキブとかツリバナも割れやすい、枝が横に広がるのは危険ですね。冬の前にやらないと。
これは、5月にジューンベリーの花が咲いた時の写真です。
タワーの屋上から全景を撮影しました。
こんなにきれいに咲いてくれると養生した甲斐があります。
連休にきれいに咲いていますので、ぜひ訪れてください。
※写真をクリックすると拡大します。
このシュロ縄は濡らしてあります。
これは乾いているとガサガサして毛羽立ったのが硬くて手も荒れます。
濡らすとしなっとなって柔らかい。
結ぶときに濡れてると、きつく結べます。
乾いているといくら引っ張ってもきつく結べません。
濡れてると伸びてます。それでぎゅっとやって乾くとしっかり補強になります。
シュロ縄は1分以上しっかり濡らすると柔らかくて、乾くとピッと張って縮みますから木々を痛めない。
<シュロ縄使用のポイント>
●1分以上、水に浸すと柔らかく扱いやすくなる。
●濡れた状態で樹木の養生に使用すると、乾いた際に樹木を痛めることなくしっかり止まる。
今年、何千個というニューム線を全部付け替えました。
やっと3年勉強して分かりました。
ニューム線はどんなにゆるくしてもその先のバラが枯れてしまうのです。
今年タワーの3階までのバラを見て、手入れして、おかしいな?と思いました。
ニューム線の先が全部枯れてる。なんでだろう病気でもないのに、こんなにゆるいのに。
その後、よそでバラの手入れしたら、ほかの親方が「ニューム線でバラは枯れるよ」と言っていました。(納得!)それから全部点検してみたら、ニューム線の先が全部枯れていました。
ニューム線でバラをしおってはだめです。
その先は全部枯れる、全部シュロ縄に取り替えました。
いっぱい数があるから大変です。
普通のシュロ縄はこれの倍の太さ、大変やりにくいのでこれにしました。
あと麻縄があるんです、柔らかくて細くて、でも白っぽくって、いっぱいしおると目立つんです。
なので私は、このシュロ縄の細い方をこれくらいずつ切っておいて使います。
(写真上から3番目を参照)
もったいないと短かく切るとやりにくいです。少し長い方が良いです。
現在、ニューム線、ねじりっこでしおっている方は、取り替えてください。
そして枯れてるか見てください、その年ではなく2~3年目から枯れます。
化学物質を嫌うのかわかりませんが大変不思議です。
何の本にも書いてありませんが、バラにはねじりっこは使わない方が良いです。
※今回の動画は、YouTubeでご覧いただけます。