造園家、環境アドバイザー
鈴木 美津子
「ローズガーデン&レストランカフェ 風の丘しいある」代表
「NPO法人 しいある倶楽部」代表
軽井沢に生まれ、幼少の頃から軽井沢の自然に親しんで育つ。結婚して東京に出てからは、植物を学び、庭園造園、山野草保護活動などを経験。以後、軽井沢に定住し40年以上にわたり、造園と樹木保護のボランティア活動に携わる。また、閉園して廃墟となったバラ園を再生し、2012年「ローズガーデン&レストランカフェ 風の丘しいある」を開園。
軽井沢に定住しようとしていた時、一人娘の良恵さんを出産時の医療事故で亡くしてしまいます。その頃、軽井沢では宅地開発のため次々に樹木が伐採されていました。
軽井沢の自然をこよなく愛していた娘さんと一緒に 伐採される樹木を守ろうという思いで、娘さんの愛称「しいある」を名称とする「しいある倶楽部」を設立しました。
伐採される樹木を「しいある倶楽部」が費用負担して、クレーンを使って自らの手で引き取り、里親を探して望まれる場所に移植、14年間で800本もの樹木を移植しました。
造園家としては、羽田東京国際空港第二ターミナル発着ロビーの庭園造成、原宿東急ビルの屋上に樹齢700年のケヤキを植え「天空の杜」を表現するなど、都市空間の造園も数多く手掛けています。
写真は、原宿東急ビルの屋上庭園、訪れる人々の癒しの場となっています。(写真をクリックすると拡大写真が表示されます。)
イギリスで最も美しい庭園と言われる「シシングハースト城」のガーデンをモデルに造られた本格的英国式庭園「メアリーローズガーデン」は、2000年に長野県佐久市に開園しました。
1万坪にもおよぶ庭園内にはシンボルとなるメアリータワーがあり、バラの美しいガーデンと人々から愛されましたが、2009年に惜しまれながらも閉園してしまいました。
亡くなった娘さんと訪れた思い出の場所でもあるガーデンが、誰にも管理されず廃墟になっていることに心を痛め「大好きなこの場所を守りたい!」との一念で、私財を投じて買い取りました。
バラだけではなく、軽井沢、佐久など信州の自然に生えている植物や希少な山野草などを自らの手で栽植し、石を積んでロックガーデンを造り、園内を整備して、3年後の2012年には「ローズガーデン&レストランカフェ 風の丘しいある」として生まれ変わりました。
軽井沢の美しい自然を大切にし、次世代へ引き継ぐ目的で活動する「軽井沢BESEA」の理事長となり、講演活動、自然の森散策、森の再生など、自然保護活動を行ってきました。
そして軽井沢の自然を残すため、自分たちで森作りも始めました。国道18号追分の浅間サンライン交差点近くの土地に「ベセアの森」と名付け、木のオーナーを募り、会員たち自らの手で植樹を行い、緑豊かな森になっています。
2020年7月より「NPO法人 軽井沢BESEA」と「NPO法人 しいある倶楽部」は合併し、「NPO法人 軽井沢自然景観会議」として活動を行います。鈴木さんの自然保護活動については、「軽井沢自然景観会議」のホームページをご覧ください。