鈴木美津子ガーデン散歩 VOL 5(2020年6月) アンテロープバレー軽井沢 より
イロハモミジとツリバナを特集します。どうぞお楽しみください。
イロハモミジの葉っぱの細かい良さは、秋の紅葉にそれぞれの葉っぱがその場所に応じて紅葉が変ることです。
大きなヤマモミジはダイナミックで良いけれど、テラスから毎日眺める時は繊細にグラデーションで色が変わるのが素晴らしい。そして最後の赤が濃いです。
葉が小さくて切れ込みが深くてモミジの葉の付け根から茎が赤かったりすると実生で取るときの目安になります。秋の紅葉は素晴らしいです。
この森は完璧な手入れだと思うのは、上から自由に広がって枝の下にまた枝がある。一番向こう側の枝は最後に紅葉してきます。秋の寒気はだんだん上から受けてくるので、大変長い間楽しめます。場所によって時期がずれたり色が変わるから、軽井沢はモミジ一色でもかまわないくらい飽きない木です。
これはイロハモミジですが、その中にヤマモミジが 1~2 本、葉っぱが大きくて黄金色に紅葉します。赤ばかりの紅葉も素敵ですが、その中にちょっと松の緑とか黄金色のヤマモミジがあると大変、数十倍も魅力が増します、いいですね。
このテラスがあってこの距離でこの枝ぶり、素晴らしいと思います。奥のカラマツは下枝をちょっと整理した方が良いですね。
リスも渡りやすい、良い遊び場になると思います。
ツリバナの皮をシカは好みます。
シカがこの木の横を通ってるんです。よく頑張ったね、これをもう少し深く食べられたら死んじゃうけど。
この森は、こんなにきれいに枝を打って、本当に前の人は素晴らしいですね、よく手入れして。
そうするとツリバナの紅葉はちょっと透けるんですよ日差しが。
そうすると紅葉が赤じゃなくてパープル、紫赤なんです。
逆光からお日様を通してみるのが美しいんですが、これはパープルで大変デリケートな紅葉できれいです。
●ツリバナの葉は下から仰ぐと太陽に透けて見える。
●秋には紫がかった赤色に色づき、紅葉が非常に美しい。
ここの木は、大変に形が良いです、すごいですね。
管理を頼んだのかオーナーの方がしょっちゅう手入れをしたのか大変にきれいです。
本当はモヤモヤモヤといっぱい葉が出るはずなのですが。
このぐらいの形で冬に落葉したあと、この枝ぶりに雪が降り積もったら、この枝のデザインが曲線で、大変良い眺めになります。ここに雪が積もって、このカーブがすべて景色になるのです。
大変きれいに手入れしています。すごい!
ツリバナの根元から、地面から出ている枝をヒコバエ(孫生え)、幹から出た枝は胴吹きと言いますが、それさえ整理すれば、この形を崩さず整えられます。
ここは少し暗いから、実の付き方が少ない。今頃ならたわわに7~8cmの糸のようなつぼみが垂れ下がっているはずなのにあまり見当たらない。というのは日影が多いから。というのは隣のカラマツを少し上まで枝を間引く。そうするとちょうど良い光が当たります。
これだけツリバナがあったら秋は素晴らしいです。
軽井沢にはモミジやツリバナがよく合います。
※今回の動画は、YouTubeでご覧いただけます。