鈴木美津子ガーデン散歩 VOL 24(2020年9月) 長野県佐久市「風の丘しいあるガーデン」より
「風の丘しいあるガーデン」の山野草コーナー、ロックガーデンから、ススキに寄生する植物、南蛮キセルをご紹介します。
9月の風の丘しいあるガーデンも少しずつ秋めいてきました。
今回は、珍しい寄生植物・南蛮キセルほか
スズメウリの秋のティスプレイもご紹介します。
山野草と高山植物のコーナー、ロックガーデンに来ました。
これは、屋久島ススキと言います。
すごく細く繊細に葉っぱが出るんですが、触ると手が切れます。
危ないです。
そこに咲いているのが、一族一種の山野草「南蛮キセル」と言います。
これは6年目。
今年は梅雨が長かったので花が倍くらい大きいです。
ちょうど見頃で珍しい花です。
葉っぱも何もありません。
これをこういう風にキセルに見立て、
花魁が長いキセルで先に刻み煙草を入れて吸う姿に似ています。
キセルは南蛮の方から来たので「南蛮キセル」という名前が付いています。
大変きれいですが、これはススキの根元にしか咲きません。
ススキもみんな咲くとは限りません。
これの菌が付いたら、そこから咲き、上手くいけばこうして増えますけど、うっかりすると2年ぐらいで絶えてしまいます。
これが咲き終わって種になって、開いてみると粉みたいに、洋ランの種と同じで小さい粉状の種ができ、それで増えるんですが、ほかの植物には出ません。
ススキの寄生の植物です。
※葉は退化し、葉緑素を持たないので、光合成をせず、ススキに寄生して養分を摂っています。
あそこに絡まっているツル、わかるかしら。
あれが、スズメウリと言います。
カラスウリというのが大きく実る、それより小さいからスズメウリと、
何とも簡単で分かりやすい名前を付けたなと思います。
今は邪魔なように思いますが、これ全部落葉した後、
12月になると真っ白い実がずらずらっと残ります。
今は緑色のビー玉のような実がいっぱいつ付いているのが、
だんだんクリーム色になって真っ白になって、
ツルの茎が白い乾燥したツルになります。
そのツルをそーっと採って、自分の好きな場所に小枝のある好きな枝を選んで、そこに垂らすと鈴なりになったきれいなディスプレイができます。
あとで、ホールの中に1年以上飾ってあるものがありますので見ていただけたらと思います。大変可愛いです。
冬になると葉っぱが落ちて、
これ1年飾ってますが、これよりもっと真っ白いです。
これは、冬に落葉した後、白く実が変色したものを
枯れ枝にディスプレイした昨年の物です。
これは、山繭で大変貴重です。
シルクのお蚕さんです。
皇居では毎年この山繭で何枚かシルクの反物ができるらしいです。
※明治時代以降、皇居の紅葉山御養蚕所で歴代皇后が天蚕を育てることが伝統になっています。
薄いウグイス色、大変に上品な色で、私が子供の頃はたくさんありました。
以前は、冬のナラやブナの枝にぶら下がって、これをいっぱい集めて切って広げて、
籠を編んだりして、今は幻です。
この希少性から「繊維のダイヤモンド」と称されます。
このモミジは、この間の長雨の後に弱ったので、
活性剤HB-101を希釈して、バケツで3杯ほど、根元に撒きました。
そうしたら、少し色が元気になった気がします。
◆美津子さんイチオシ
天然植物活力液HB-101(株式会社フローラ)が弱った樹木を元気にするのに効きます。
これは、イワヒバと言います。
凝る人は、車一台無くすくらい高いのもあります。
このヒバは普通で、冬にクルクルっと固まって縮みますけど、
春からお水をあげるとパーと開きます。
これがまた秋には紅葉してきれいです。
なぜイワヒバを植えたかというと、ウチョウラン(羽蝶蘭)を増やしたいんです。
日本の東洋蘭ですね。
そのウチョウランはイワヒバの寄生植物です。
それで、一生懸命増やしています。
※この写真は、今年の夏、このロックガーデンに咲いたウチョウランです。
※今回の動画は、YouTubeでご覧いただけます。