鈴木美津子ガーデン散歩 VOL2(2020年6月) 長野県佐久市 風の丘しいあるガーデンより
今回は、「風の丘しいある」自慢のバラたちをご紹介します。
6月のこの時期には100種類以上のバラが、毎日次々に咲き誇ります。
今が見頃です。
ぜひ見に来てください。
一番ご紹介したいのがタワーの3階まで咲き誇っているツルバラです。
2階まではよく見かけますが、この高さまで1本の木で一面に枝が広がっているのは珍しく、大変美しく良い時期です。
このツルバラはツルが自由奔放に育ちますので、真冬にはビル建築の足場を5階まで組み、上から1本ずつしおって固定して手入れをします。真冬で頬が凍るような寒さですが、今日のこの咲く日を思うと楽しい作業でやりがいがあります。
風の丘しいあるガーデンのバラは極力消毒しません。
自然の生態系を利用して害虫を駆除しています。毛虫や青虫が出ますが、少し我慢すれば、そのあとで絶対に天敵が出てきて退治してくれるのでそれを待ちます。
ここにちょっとゾウムシがいますが、ゾウムシは薬は効きません。殺虫剤をかけると次にもっと強くなるので、かけません。私はこんなふうに花受け皿を下においてお皿に落とします。そしてスズメバチのスプレーを1秒ほどちょっとかけると死んでくれます。
咲き終わりの花がらは摘んだほうが良いです。
摘まないとこれに栄養が取られてしまいます。咲く花より種をつけようとするのが自然の力なので、花がら摘みは大変重要です。咲き終わったら切る、そうすると次の花が次々と咲きます。
花がらの取り方はこんなふうに花の根元から切ります。咲き終わって2~3日あると栄養がそちらへいくよう準備されてしまうので、このくらいの時が取り時ですね。
必ず花がら摘みは毎日行ってください。
ハーブティーを作るときは、枯れる前の咲き始めの花びらを取って籠などに平らに干すといい香りのお茶ができます。
ちょっともったいないですが見本を、これくらいの咲き始めの花を取り、籠など平らなものを用意して、花びらをばらします。
重なると下の方の花びらが茶色になるので広げて半日陰で3~4日乾かすとサラサラって手の感触が気持ちよくなります。そうしたらそれをハーブティーにします。
日陰に置いておくとかなり長い間もちますが、湿気が入ると腐ります。
これはピンクですが、赤や香りのよいオレンジなどのハーブティーを作ると楽しいですね。
いらしたお客様にあの花のお茶よって出せたら最高だと思います。
ハーブティーは咲き終わりはだめです。ちょうど8分目咲きぐらいを取ると良いですね。
軽井沢や高原、暑いところ、どんなところでもノックアウトというバラは大変よく咲いてくれます。これは最初の咲き終わりですが10月までこれほどではないですが花が咲きます。
なぜノックアウトなのかというと病気にならないという名前なのです。これは半八重咲きと言います、二重ぐらいの咲き方ですが、これでツルもあればピンクもあります。病気にならないのはありがたい。でも、これだけ咲いているので花がら摘みはこまめにしてください。
最初にバラにチャレンジするとしたらこの種類をお勧めします。大変に丈夫で強健な病気に強いバラです。
肥料はあまりいらないようですが、私は咲いてほしいので冬に寒肥をあげました。この種類は勝手に咲いてくれます。そして、初心者向けでもベテラン向けでも、仕立てようで形がつくれる、スタンダード作りでも横に広げるでも、庭木づくりでも芽吹きも良いので、これが1本あるとやりたい希望に沿えると思うのでお勧めします。
ホワイトのバラと植えると見栄えも良く、秋まで咲くのはありがたいです。
葉っぱに黒星病、黒点病がでたら、その葉は必ず切り取ってビニール袋に入れるか捨てるかしてください。それは葉ではなく黒いのはカビです。落ちた葉っぱをそのままにしておくとカビはまだあるということなので、かならず取ったら片づけてください。
発生してから薬をまいても絶滅は難しいのでむやみに薬を使うよりは葉っぱを切り取ります。ここにはたくさんありますが、私は薬を使わず捕獲します。
ここは佐久市で丘の上なので、4月は毎日のようにお水をやります。新芽が出るころ根元にたくさん、枝にも葉水もかけます。明日は零下に下がるという時は要注意です。涼しいところは温度差の変化が大敵です。
5月になり葉も出て花が咲いたら濡らしてはいけません、根元に水をあげます。もし1週間雨が無かったら週に2回ぐらいはたっぷり、根は枝の広さまで広がっているので幹の真ん中にあげてもだめです。外側1~2m、全体的に水をやります。
肥料なども同じですが、幹の根元に施しても意味がありません。細根にお水や栄養をあげるので、枝がどこまで広がっているかが根のある目安になります。花びらは水に濡れると傷むので、花びらがついてからは根元に水をやります。これが水やりのポイントです。
もしバラと合わせたい時は、普通はクレマチスを合わせます。
でも少し目先を変えて山野草と合わせるのも一考かと思います。
ここにちょうどお見せできるのがフウロソウですが、これとちょっと上にバラの木があったらとても似合うと思います。半日陰でバラの根元に地面を這うように緑があってフウロソウが咲いて、上にバラが咲いているのは大変癒される景色になると思います。お勧めです。
また、これはイチリンソウ・ニリンソウですが、別の所にニリンソウが群生しています。
これはピンクですが、ニリンソウの真っ白の上にオレンジか赤のバラが1mぐらいで合わせたらまたそれも素敵だと思います。
いろいろな楽しみ方がありますので楽しんでください。
※今回の動画は、YouTubeでご覧いただけます。