鈴木美津子ガーデン散歩 VOL 9(2020年7月) 風の丘しいあるガーデン より
今の時期に欠かせないツツジやサツキの剪定や挿し木・取り木の方法を学びます。
<今回のポイント>
●花の時期を過ぎたツツジやサツキを翌春もきれいに咲いてもらうための剪定
●剪定した枝の挿し木の方法や取り木で木を増やす方法などを学びます。
これはサツキです。ツツジも同じですが、待ったなしの手入れ時です。
こうやって飛び出ていますね。
これを今切らないと夏過ぎて秋に切ると来春花が咲かない、今なら間に合います。
ここは山野草のコーナーなので、上に伸びてもらっては困る。
そしたら、この辺にある短いのを来年咲く基準にすると、この出ているのを切ります。
枝を切る時は、枝分かれの股の上で切る。切り口わかりますか?
そうすると、ここから新しい芽が秋までに出て、来年も花が咲きます。
「うちは毎年咲かない」という方がいらっしゃるけど、それは手入れする時期が悪いんです。
どのくらいの高さにしようか考え、飛び出た枝は枝分かれの上1~2cm残して切っていきます。
こうして飛び出た枝を切っていくと、これだけですっきりします。
ツツジは急がなければいけないです。4月から咲いているので急いで剪定しなければ。
必ず飛び出た徒長枝が出ますので、早めに切ってください。
サツキは今咲き終わったから丁度いい。
<剪定のポイント>
ツツジ、サツキの剪定は夏までに終わらせないと翌春咲かない。
枝分かれの復の1~2センチ位上をカットする事で、新芽が伸びてくる。
先ほど徒長枝を切りましたサツキ「博多の白」、この枝で刺し芽をこしらえます。
これは、真っ白い上品なサツキです。
さっき切ってそのまま水に入れてありました。
1.切り口はシャープに斜めに
細かい作業なので、剪定ばさみより このすっきりしたはさみの方が細かい仕事、細い枝にやり易いと思います。
切って水につけておいたものを1本ずつ取って、切り口を斜めに切ります。
2.空気に触れないようすぐに水につける
切ったら空気に触れないよう水に入れます。
生け花と同じように。
これ結構長いから、もう1本取れますね。
途中で枝を切って、切り口は斜めに切ります。
3.葉をある程度間引く
そして葉っぱが多いと苦しいですから、ある程度間引きます。
本などでは、葉っぱを半分に切るとありますが、私は気にしないでこんな程度で水につけておきます。
これを次々とこしらえます。
4.挿し木をする土は予め水で十分に濡らす
植える場所は、庭の隅でもいいし、もし10本あったら5本は培養土の鉢でやってみようかと分けるのもいいですね。
刺す前にその土は濡れている方が好ましいです。少しジョウロで濡らしておきます。
これを刺すとしたら、これより細い楊枝などで土に刺す半分ぐらいの深さで穴を開けておきます。
5.メネデール(発根促進剤)
枝の斜めの切り口に、メネデールというパウダーをお皿にあけて付けます。
この枝を刺すときに切り口を土で擦ると粉が落ちてしまうので、擦らないよう縦に入れます。
水をかけたら流れてしまうので、植える前に土を濡らしておいて、刺したら周りから軽く押して隙間なくしてあげる。そしたら動かしてはだめです。
1~2ヶ月忘れてて、新芽が出てきたら付いています。
新芽は刺し芽に適さない
刺し芽をするのは、新芽はだめです。この茶色くなった木の方を使います。
これ、今年伸びた新芽、これを刺してもだめです。
木の方、1年以上前の木の方を刺します。
新芽を刺しても枯れてしまいますから木の方を刺します。
<取り木の方法>
茎の途中から根を出させ、そこで切ることで新たな株を得る方法
ここでは2つの方法をご紹介します。
大きな枝、貴重な枝を取りたい時に使います。
取り木といって、横に伸びた枝を切らないで、逆に下ろしてその枝を土の中に埋める方法があります。
横に伸びた枝を下ろして土でかぶせます。
根から枝へと続いていますが、途中で土に埋めて持ちあがらないようにしておけば、そこから根が出てきます。
翌年、付いたなと触ってみて分かるから、そうしたら、その下で枝を切れば、埋めた木も1本の木として育ちます。
株の横にビューンと乱れて出てきた枝があったら、「取り木しよう!」って土で埋めて押さえておけばいいです。
自然に倒れてそこから芽が出てるものもあります。
もう1つ取り木の方法があります。
枝の一部をカッターの刃でくるくると回すと皮が切れますね。
表皮ではなく中の次の皮も切れないとだめです。
その部分を水苔で覆って発根させる方法です。
大きい枝を貴重な枝を取りたい時に使います。
ちょっとやってみましょう。
はさみで両側を傷つけて、その間の皮を 手でむきます。
このくらいの幅の皮をむきました。
この幅が短すぎると、枝が繋がって根が生えないので、これくらいむいてください。
次は水苔、大変安いですからあれをよく水に浸して水を含ませます。
茶色や黒の色の悪い水苔はよけて、色のきれいなクリーム色の水苔を片手でぎゅっと絞って、枝の皮をむいた部分に巻き付けておく。(写真下参照)
ラップで覆って乾燥しないよう上と下でピッタリ止めておきます。
そして、上の枝が成長してくれば生きているということです。
2年目くらい経って、もう大丈夫と思ったらその下で切れば大きな1本の木ができています。
大事な木で、この枝いらないという時にやってみると楽しいですよ。
<おさらい>
サツキ・ツツジの剪定・挿し木・取り木は、梅雨時期の今がチャンスです。
ぜひ実践してみてください。
※今回の動画は、YouTubeでご覧いただけます。