鈴木美津子ガーデン散歩 VOL 18(2020年8月) 千ヶ滝別荘地 より
千ヶ滝別荘地のお庭PART3、絶滅危惧種の天然の山芍薬、漢方薬に使用される五味子などご紹介しながらお庭の診断、アドバイスを行います。
千ヶ滝別荘地のお庭、第3回目。
レンゲショウマだけでなく
希少な絶滅危惧種、珍しい植物が自生しています。
お庭アドバイスも併せてお楽しみください。
お庭の造園をするときに雑草が生えて困るとか、乾きやすいとか、
冬でも緑が欲しいという時は、これ、大変貴重です。
ヒメツルニチニチソウと言います。
これ以外の日日草は軽井沢では育ちません。
これは、寒さに強くて、丈夫で、色もきれいで、そして花もきれい。
軽井沢おすすめグランドカバーです。
私は、これより大きいニチニチソウ(日日草)を羽田に5000本植えました。
和名では、ツルニチニチソウ、別名ビンカミノールと言います。
これ、ちょっと森に入ったらそこそこあると思います。
これ以上高くならないので、ほかの花がちゃんと育つので良いと思います。
傾斜地は土が崩れにくいです。
この茎が地面を這って増えます。そのポイント、ポイントに地面に根が出てたら、
その下で切って挿せば、増えます。
これは大変ありがたい材料です。
これは、ハリギリと言ってトゲがいっぱい出ています。
そして、高木で大木になり、焦げ茶色の紅葉で、黒い虫がいっぱい付き、
どこにでも出て、強いです。あまり歓迎されません。
これは遠慮した方が良いです。
鋭いトゲが下向きに大きく出てるので危ないです。
こっちのモミジを育てた方が良いと思います。
<美津子さんのアドバイス>
家のすぐそばに高木になる木を放置せず、
早めに駆除しましょう。
トゲがあるのは、ゲストや子供の怪我の原因にもなります。
秋の紅葉なども考えて樹木は配置しましょう。
これがニシキギ、枝に翼(ヨク)が出ています。
名前の通り秋に錦のように真っ赤に紅葉しますが、
日当たりの良い所でないといけない。
よく生垣などに植えるんですが、
この木の陰でよく出ているなと思います。
これは、殺虫・殺菌作用があるので、昔は実を煎じた汁をシラミの
駆除のため頭皮に塗ったそうです。
場所や条件で部分的にポッカリ枝枯れしたり、きれいに生垣に茂ったり
選り好みします。
これはクガイソウといいます。
数えてみると、葉っぱの段が9階の層になっているんです。
葉が9階の層になったら花が咲きます。
だからクガイソウ(九階草)と言います。
これも山野草で素敵です。
もう咲き終わって種が出ますから、取りまきして、
また来年増えれば良いと思います。
あそこにある赤い実、あれは実ではないんです。
天然の山シャクヤク、大変貴重です。
踏んだり、人が入ったりしたら絶えます。
そのまんまに置いておかないと。
環境省レッドリスト準絶滅危惧種指定。
関東など絶滅した県もあり、多くの県で絶滅危惧種指定。
そして真っ赤になって、そのまま置いておくと真っ赤の中に
黒い粒があります。それを採って蒔いてもなかなか増えないです。
減るばかりなので、自然に生えているというのは貴重です。
私は何度チャレンジしても3年目ぐらいで絶えました。
素晴らしいですね。
素敵なのを見つけました。
これはゴミシ(五味子)、秋になると真っ赤な実になります。
ゴミシというのは漢方の薬に使われるのですが、
五種類(甘味、酸味、辛味、苦味、塩味)の味がすると言われています。
そして、山に足の踏み場もないくらい、一面に10cm位でありますけど、
それは何も付きません。中からツルを伸ばし始めるものがあって、
それが2~3年経つとこうして花が咲き、実になる。
このツルを見つけてとっておかないと実がならない。
これが秋になると真っ赤に見えてきます。
歩いていてこれが見えるのは素晴らしいですね。
オーナーのTさんが、自宅周辺で採れた五味子を焼酎に漬けたものを
持ってきてくださいました。
「すごい、すごい! これ貴重です。」
これを飲むと元気になりますよ。
<美津子さんのアドバイス>
五味子のツルは放置するとドンドン伸びて
巻き付いてくるので、適宜手入れをするといいですね。
ハナイカダ(花筏)もあります。
葉っぱの真ん中に花が咲き、実になります。
たくさんの珍しい植物があり楽しいですね。
外国人により開発された軽井沢ですが、
桜草、九輪草、フシグロセンノウ、蓮華ショウマなど
華麗なる山野草の魅力がいっぱいです。
※今回の動画は、YouTubeでご覧いただけます。