花木の知識

ムラサキシキブ剪定


鈴木美津子ガーデン散歩 VOL4(2020年6月) アンテロープバレー軽井沢 より

ムラサキシキブをモデルに、鈴木さんが樹木剪定の基本をレクチャーしてくださいます。

シュート(徒長枝)の剪定

シュート(徒長枝)の剪定

※シュート(徒長枝)とは、伸びたままの、勢いの強い枝です。

 

このシュート、バラでも何でもそうですが、1年でこんなに伸びちゃうのもあるんですよ。

これは「ムラサキシキブ」、大変にきれい、名前も素敵じゃないですか。秋には紫の実がなって、小鳥も大好きです。これから花が咲いて、きれいな実がなります。

 

シュートは枝を間引いて整理していきます。

枯れた枝は手で取れます、刃物を使わず片付けられます。

 

この徒長枝、枝が多すぎるからいらないので、切ります。

枝の途中で切るとそこからまた芽が出てきてしまうので、幹に沿ってキッチリ切ります。そうすればもう出てこない。(写真参照)

 

枝の数は、奇数がまとまりやすいですね。

2本、4本、6本より 3本、5本、7本の方がバランスが良いんです。

 

最初に、これはいらないというものを1本ずつ間引いていきます。

これをやり終わると相当スッキリします。

 

各自の庭で、うちの木をどうしようという時、参考にしてください。

枯れた木は固いです、生木は切りやすいけれど。

ここは剪定ばさみが入らないので鋸で切っています。(写真参照)

鋸も大小あると狭いところでもできるから楽ですね。

胴ぶきの処理

樹木の剪定/銅ぶきの処理

これは胴ぶきと言って、下から出ている元気な枝です。

玄関から入ってきて歩きながら通る時は風情になるけれど、ここはお庭の外ですからいらない。

これがあると上の栄養が少なくなるので切ります。

 

小さい枝は刃物で切らないで、横に向けて手で取ります。

そうすると根元が残らずきれいに取れるから。

 

刃物だと刃物の厚さだけ残る、下に向けて取ると皮がむける、上に向けて取ると取れません。

真横に向けて取ります。

 

取りにくかったら刃物を使う。

これくらいだったら手で取った方が根元が残らず 早いですね。


下からだんだん取っていって、枝を透かしていきます。

不要な枝の剪定

不要な枝の剪定

不要な枝は1本ずつ切っていきます。

これはいらない木です、でもこの枝に花がいっぱいあったら、紫色の実が付くまで置いておき、実がたわわになったら枝の途中で切って、大きな樽か大きな瓶に、玄関にでもバサッと生けておくと1週間ぐらい来客の人たちに「うわぁきれい!これなあに?」と良いおもてなしになります。

 

でも、あまりついていないので切ります。

根元からきちっと切ります。

太い枝を剪定する際は、切り口が「への字」になるように切るとよいです。

 

なぜかというとその方が傷口が治りやすいからです。

力を入れずに切れるままに切った方が切り口が滑らかです。

切り口がざらざらだと腐る確率が高い、滑らかだと水がすっと流れて乾きが速い。

 

力を入れると粗い切り口になるが、力を入れずに切るとカルス(樹皮のかさぶた)ができやすいのです。

込み入った細枝の剪定方法

込み入った細枝の剪定方法

ここわかりますか、下から見ると枝が二重になっているんです。上と下に枝が二重になっています。下を向いている枝を切っても上に枝がある、だから下の枝はいらないということ、ずーと切ります。

 

これは大きいからまだいいんですが、枝を間引いていくと切ったら上がります。これで丁度いいという時は、もうちょっと先まで切らないと、枝が軽くなると上がるから、それも慣れたら計算して切ってください。

 

●重なった枝は、下の枝を切る。

●2本が1か所から出ていたら、どっちの枝が元気かなと見て、弱そうなところを切る。

 

それだけでも相当スッキリしてきます。

それは難しくないので、ぜひ試してみてください。


※今回の動画は、YouTubeでご覧いただけます。

[鈴木美津子ガーデン散歩 VOL 4]


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